阪南チーズ染晒協同組合
現在、繊維は一般家庭用品から宇宙服までありとあらゆる製品に活用されています。しかし、繊維と一口にいっても様々な種類の繊維があります。大きく分けると、植物、動物、鉱物などから採取される天然繊維と化学的プロセスにより製造される化学繊維とがあります。さらに天然繊維には、植物繊維と動物繊維などがあり、化学繊維は再生繊維、半合成繊維、合成繊維などに分かれます。このページでは、天然繊維である綿(コットン)、麻、毛(ウール)、絹(シルク)、テンセル化学繊維であるレーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテート、トリアセテート、プロミックス、アクリル、ポリエステル、ナイロン、ビニロン、ポリウレタンの計16種類の繊維の特徴を表を用いてわかりやすく説明したいと思います。
 
  繊維分類表
分類 繊維名 特徴
天然繊維
植物繊維
 綿   丈夫で吸湿性、保温性、通気性に優れ、肌触りも良い。また、熱にも強く、染色、洗濯性も良いが、しわになりやすく、収縮しやすいのが短所。 静電気は起きにくいが可燃性はある。
    天然素材の中で最も強く、通気性に優れているが、手触りが硬く弾性に乏しい。また均一に染めにくいという難点もある。 高温多湿な夏に最適な素材である。
動物繊維     弾性があり、かさ高、吸湿性が高く、撥水性がある。シワになりにく、また燃えにくい繊維。しかし、繊維が弱く、フェルト化する(縮む)。ピリング(毛玉)になりやすく、また虫害を受けることもある。
 絹   しなやかで、吸湿性に富み、優雅で美しい光沢がある。しかし、日光で黄変、劣化しやすく摩擦に弱い。染色堅牢度も低くウール同様に虫害を受ける。



テンセル 丈夫で吸湿性に富む。熱にも強く、レーヨンより水に強い。ソフトでドレープ性があり、染色性もよい。しかし、染色時にバイオ加工による分繊処理が必要。収縮しやすい。
化学繊維 再生繊維繊維
レーヨン 吸湿性が高く、強い光沢、ドレープ性がある。染色性もよい。その反面、水に弱く、非常にしわになりやすく、収縮しやすいという短所もある。また、レーヨンは綿や麻と同じセルロースで構成されているので土中で生分解され土に還るエコロジー繊維ともいえます。
ポリノジック レーヨンより強度があり、アルカリにも強い。しかし、しわになりやすいという特徴もある。
キュプラ 細くてしなやか。穏やかな光沢、腰があり吸湿性に富むが、多少収縮したり、ややしわになりやすいという特徴もある。主原料はコットン.リンター(綿の実から綿花を取った後に残る短繊維)。
半合成繊維 アセテート ソフトで弾性に富む。また光沢があり、しわになりにくい。熱可塑性がある。反面、繊維質が弱く、吸湿性がやや低いという短所もある。
トリアセテート 弾性に富み、耐熱性もよい。セテートよりやや硬く、吸湿性がやや低いという特徴もある。
プロミックス ふくらみのある暖かい風合いで、シルクと似た光沢としなやかさがある。吸湿性もある。耐熱性がやや低い。
合成繊維 アクリル 繊維質は強くて軽く、かさ高い風合い。弾性に富み、耐光性がよい。染色性もよく好みの色に染められる。カビや虫害を受けにくく薬品にも強い。短所としては腰が弱く、ピリングしやすい。吸湿性がとても低い。
ポリエステル 弾力性があり、シワになりにくく、型崩れしにくい。水による収縮もなく、濡れてもすぐ乾く。分散染料で染色。吸湿性が極めて低く、帯電しやすい性質。 また薬品にも強いのが特徴。
(ポリエステルは1950年代アメリカデュポン社が石油を原料とした繊維として開発された。)
ナイロン 軽くて強い。伸びと弾性に富み熱可塑性がある。染色性もよい。一方、日光で黄変や脆化し、腰が弱いという難点もある。
ビニロン 摩擦に強く、吸湿性がある。耐光性や耐薬品性がある。反面、風合いが硬く、しわになりやすい。熱可塑性が不十分という短所もある。
ポリウレタン 伸縮性と弾性が非常に大きい。細い繊維が可能。しかし、吸湿性がほとんど無い。また塩素系漂白剤で劣化する。


この表にある16種類の繊維は現在さまざまな用途でこの社会で活用されています。この他にも、様々な種類の繊維が研究され、開発されています。この繊維(fiber)というものは、これからも私達の生活をより豊かにするため様々な分野で利用され、活用し続けられていくのです。

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